バンブーズブログ

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NYダウ反発、75ドル高 パウエル議長証言は想定内


 
 
#北米 #国際
2024/3/7 5:19 (2024/3/7 7:04 更新)
 
【NQNニューヨーク=稲場三奈】6日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発し、前日比75ドル86セント(0.19%)高の3万8661ドル05セントで終えた。前日までの2日間で500ドルあまり下げた後で、値ごろ感からの買いが先行した。午前のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言は、市場の想定の範囲内だったとの受け止めも買い安心感につながった。

朝発表の2月のADP全米雇用リポートでは非農業部門の雇用者数が前月比14万人増え、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(15万人増)を下回った。同日発表の1月の全米雇用動態調査(JOLTS)では非農業部門の求人件数が886万件となり、前月(888万件)からわずかに減少した。米債券市場では長期金利が低下し、株式の相対的な割高感が薄れたことも支えとなった。ダウ平均の上げ幅は270ドルを上回る場面があった。

パウエル議長は米連邦議会下院の金融サービス委員会での議会証言で、政策運営については「インフレが持続的に(政策目標の)2%に向かっていることを裏付け、我々に確信を与えてくれる指標をみたい」と説明。早期の利下げに慎重な姿勢を示した。物価目標の達成に向けては、「いくらかの自信があるが、もう少し見極めたい」などと述べた。

市場では、「サプライズはほとんどなく、底堅い経済と労働市場とともにインフレの沈静化が続いているという前向きなトーンを維持した」(エバコアISIのクリシュナ・グーハ氏)との受け止めがあった。FRBが年内に利下げするという市場の見方を変えるほどではなく、株式相場への影響は限られた。

買いが一巡した後は、ダウ平均は伸び悩んだ。8日には2月の米雇用統計の発表がある。1月が想定より強い内容だったため、2月の結果を見極めたいという雰囲気がある。積極的に買いを入れる動きは限られ、主力銘柄の一部には売りが出た。午後にはダウ平均が小幅な下げに転じる場面もあった。

FRBが午後に発表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)は、経済活動が前回1月の報告時点から「全体としてわずかに拡大した」と総括した。物価上昇の勢いは緩和しているとの報告もあり、米景気の減速を改めて意識させた。

個別では、インテルやメルク、ビザなどが買われた。一方、シェブロンやナイキ、アップルは下落した。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発した。前日比91.955ポイント(0.57%)高の1万6031.543で終えた。サイバーセキュリティークラウドストライク・ホールディングスが11%弱高となった。前日夕に発表した四半期決算と見通しを受け、アナリストからの目標株価引き上げが相次いだ。半面、アナリストの目標株価引き下げがあったテスラは下げた。