《9月第5週日経平均株価振り返り》
9月29日金曜
《29日の国内株式市場》
日経平均株価は小幅に続落し、前営業日比14円90銭安の3万1,857円62銭で終えました。
本日は前日の米国株高を受け、朝方反発してスタートしました。節目の3万2,000円を上回った場面もありましたが、上値が重くなって失速するとマイナス圏に沈みました。機関投資家による四半期末に伴うリバランス(資産配分の調整)の売りや、米政府機関の閉鎖を懸念した売りが優勢。バリュー(割安)株の弱さが目立った他、大引けにかけては日経平均構成銘柄の入れ替えに伴う売りも重荷となりました。米国では、月内に連邦政府の予算案が成立せず、10月から政府の一部機関が閉鎖するリスクが意識されています。週明け以降の不透明感が強いなか、市場では「週末を控えて買いに動ける局面ではなかった」との声も聞かれました。
【業種別】
では、その他製品と精密機器の2業種のみが上昇し、電気機器が小幅な下落。海運、鉄鋼、鉱業など市況系の業種が大きく下落しました。
【個別銘柄】
では、米国の長期金利低下を好感して【8035】アドバンテスト、【8035】東京エレクトロンが強い動きを見せました。上方修正を発表した【4552】JCRファーマや、9月度の月次が良好であった【2678】アスクルが買いを集めました。半面、【9101】日本郵船などの海運大手3社が大幅安。原油安を受けて【1605】INPEXや【5017】富士石油が売りに押されました。通期の見通しを引き下げた【4586】メドレックスは、場中に値が付かずストップ安比例配分で取引を終えました。
9月28日木曜
本日の国内株式市場》
は朝方は大きく売り優勢に傾きました。
本日は9月期末の配当権利落ち日にあたり224円あまりの下落圧力が働きましたが、それを差し引いてもリスク回避ムードの強い地合いとなりました。日経平均株価は前引け間際に一気に下げ幅を広げ、後場寄りには700円近く下落する波乱含みの展開となりました。前日の欧米株式市場が総じて軟調で、米長期金利が約16年ぶりの高い水準をつけるなどハイテク系グロース株には向かい風の強い相場環境となり、国内株式市場でも市場センチメントが弱気に傾きました。後場後半は買い戻しや押し目買いで下げ渋ったものの、大引け間際に売りが出て戻りは限定的でした。
【業種別】
ではプラスは鉱業1業種のみで、電気・ガスやゴム製品の下げが限定的となりました。
【個別銘柄】
では、【8035】東京エレクトロンが安く、【9984】ソフトバンクグループも軟調な動き。【7203】トヨタ自動車も値を下げました。【8306】三菱UFJフィナンシャル・グループなどのメガバンクが売られ、【4502】武田薬品工業も下落しました。他にも、【6367】ダイキン工業が下値を探り、【5702】大紀アルミニウム工業所が急落しました。
【チャート分析】
28日の日経平均株価・日足は「中陰線」となりました。日足・一目均衡表の雲を下抜けました。雲の下限(3万2,163円32銭)が抵抗線になる形で、目先は上値の重さが意識されそうです。
東証プライム市場の売買高は16億6,147万株、売買代金は3兆9,872億円でした。
28日の新興企業向け株式市場で東証マザーズ指数は反落しました。終値は前営業日比5.48ポイント(0.75%)安い725.29でした。同日の日経平均株価が米金利上昇や期末の需給要因などで大幅に下落し、新興市場でも投資家心理の悪化を映した売りが優勢でした。ただ、日経平均株価と比べてマザーズ指数の下落率は限られました。既に年初来安値圏での推移が続いているため値ごろ感に着目した買いも入り、マザーズ指数は上げる場面もありました。
【東証グロース市場】
では【4194】ビジョナルや【4485】JTOWERが売られた一方、【6027】弁護士ドットコムや【7342】ウェルスナビが上昇しました。
9月27水曜
《国内株式市場》
でも取引開始直後は市場のセンチメントが弱気に傾きました。しかし、日経平均株価の下げ幅は一時350円を上回ったものの売り一巡後は下げ渋り、先物を絡め徐々に水準を戻す展開になりました。本日は9月末の権利付き最終日ということもあり、配当権利取りの動きが活発で全体指数を押し上げました。また、機関投資家による配当再投資の買いも株価の押し上げ要因となったようです。
【業種別】
では医薬品、その他金融、不動産などが上昇した一方、海運、電気・ガス、鉄鋼などが下落しました。
【個別銘柄】
では、【6920】レーザーテックが高く、【6857】アドバンテストも買いが優勢となりました。【6861】キーエンスが上昇し、【4523】エーザイも大きく上値を伸ばしました。【4776】サイボウズが大幅高となり、【8077】トルクは商いを急増させ値を飛ばしました。
9月26日火曜
《本日の国内株式市場》
終始軟調な地合いとなりました。朝方からリスクオフの流れに傾き、日経平均株価は寄り後に急速に値を崩す展開となりました。前日の欧州株式市場がほぼ全面安商状で、米国株式市場ではNYダウが終盤小幅プラス圏に浮上して引けたものの、上値の重い展開となりました。FRBによる金融引き締めが長期化することへの警戒感が買いを手控えさせています。米長期金利の上昇を背景にハイテク系グロース株には向かい風が強く、国内株式市場でも半導体主力銘柄などに売りがかさみ全体指数を押し下げました。
【業種別】
では海運、銀行、保険などが上昇した一方、医薬品、機械、電気機器などが下落しました。
【個別銘柄】
では、【6920】レーザーテックが軟調なほか、【8035】東京エレクトロンなど半導体製造装置関連に売りが目立ちました。【4523】エーザイが大きく売られ、【7011】三菱重工業も下落しました。他にも、【2492】インフォマートが値下がり率トップに売られ、【4384】ラクスルも大幅安となりました。半面、【8316】三井住友フィナンシャルグループなどのメガバンクが高く、【9107】川崎汽船などの海運株も上昇しました。【4502】武田薬品工業が堅調で、【7974】任天堂もしっかり。他にも、【5838】楽天銀行が値上がり率トップに買われ、【8706】極東証券も値を飛ばしました。
9月25日月曜
《本日の国内株式市場》
は半導体など主力セクターをはじめ広範囲に買い戻される展開となりました。前週末の米国株式市場ではFRB高官のタカ派的発言を受け金融引き締めが長期化することへの警戒感が売りを誘発しましたが、米金利低下を背景にハイテク株には強い動きが目立ちました。フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も高く、国内株式市場でもこの流れを引き継ぎ、同関連株中心に買いが入り全体相場を牽引しました。前週末の日銀金融政策決定会合の結果が現状維持だったことや、植田日銀総裁の記者会見もマイナス金利解除など早期の政策修正に慎重な姿勢を示したことで、マーケット全般に安心感が広がりました。
【業種別】
では医薬品、小売、食料品などが上昇した一方、銀行、海運、証券・商品先物などが下落しました。
【個別銘柄】
では、2,000億円超えの売買代金で群を抜いた【6920】レーザーテックが大幅続伸、【6857】アドバンテストなどの半導体製造装置関連が軒並み高となりました。【4568】第一三共は大幅高に買われ、【3925】ダブルスタンダードは急騰し値上がり率トップとなりました。【6961】エンプラスも物色人気を集めました。
■来週の見通し(10月2日以降)
堅調な動きを予想します。10月相場に突入し、金曜6日には米国で雇用統計が発表されます。基本的には雇用統計を前に様子見姿勢の強い週となりそうです。米国では雇用統計の前にも注目度の高い指標の発表が多く、米長期金利の動向には引き続き神経質になると思われます。ただ、直近の米10年債利回りの上昇ペースがかなり急であったことから、指標が金利の低下要因となる展開にも期待。金低下しない場合には、今週強く売られたバリュー株に見直し余地が出てきます。今週の日本株は月末で需給要因に振り回された感が強い分、来週は買いを手控えていた投資家からの資金が入りやすいとみます。下値が堅くなることで、週を通しては水準を切り上げると予想します。