バンブーズブログ

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またロシアがねー‼️

[社説]危険なロシアのCTBT撤回
 
 
#プーチン氏動向・解説 #社説
2023/11/7 2:00
 
CTBT批准撤回はプーチン大統領が主導した(10月30日、モスクワで、タス=共同)
ロシアが包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准を撤回し、国連に通知した。

ウクライナ侵攻を巡り対立が先鋭化する西側諸国に新たな揺さぶりをかけるつもりだろう。だが、核兵器をその手段に使うことは国際社会から理解を得られない。ロシアには再考を求める。

CTBTはあらゆる場所で核爆発を伴う実験を禁じている。米国やロシアが実施している臨界前核実験は制限されないなど抜け道はあるが、1996年に国連総会で採択され、すでに170カ国以上が批准した。

しかし、発効に必要な国として核保有国と核開発能力がある計44カ国が特定されており、このうち米国、中国など5カ国は未批准で、北朝鮮、インドなど3カ国は署名さえしていない。

発効に向けてこれらの国々に批准や署名を促さなければならないときに批准を撤回するのは、核軍縮の精神を台無しにする、核大国として無責任な行為だ。

ロシアは米国と同じ立場に戻っただけだと主張するが、いずれ実験するかもしれないとの懸念を引き起こしている。今世紀に入り唯一核実験している北朝鮮や核開発を目指すイランなどに誤ったメッセージを与えることも心配だ。

それでなくとも核軍縮は停滞している。2019年に米ロの中距離核戦力(INF)廃棄条約が失効し、今年2月には両国に唯一残っていた核軍備管理条約である新戦略兵器削減条約(新START)の履行が停止された。ロシアはウクライナ侵攻を巡り核兵器の使用さえほのめかしている。

いったん軍拡競争が本格化すれば軍縮の流れを取り戻すのは困難だ。その先頭を走ると思われるのが核戦力を強化している中国であり、北朝鮮など日本の隣国だ。

岸田文雄首相はロシアの批准撤回について「極めて遺憾だ」と批判し、核兵器のない世界に向け働きかけを続ける意向を表明した。これ以上リスクが高まらないよう指導力を発揮してほしい。