バンブーズブログ

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[社説]内閣支持率30%、まずは政権目標を明らかに


 
#社説 #オピニオン #岸田政権
2023/11/27 19:00
 
岸田内閣の支持率は政権発足後で最低の30%になった(参院予算委員会、27日)
岸田文雄内閣の支持率低下に歯止めがかからない。物価高対策などへの不満に加え、政府・自民党内の不祥事続出が追い打ちをかけている。首相は「何をしたい政権なのか分からない」との有権者の声に真摯に向き合い、まずは政権の目標と課題解決の具体的な道筋を明らかにしてもらいたい。

日本経済新聞社テレビ東京の24〜26日の世論調査で、内閣支持率は30%となった。前月比で9ポイント急落した10月調査の33%からさらに下がり、2012年の自民党の政権復帰後の最低を更新した。

内閣の不支持率は62%に達した。支持しない理由は「政策が悪い」(50%)、「指導力がない」(36%)が上位だった。首相に優先的に処理してほしい政策課題も「物価高対策」(40%)、「経済全般」(35%)の順だった。

生活必需品などの値上がりに賃金上昇が追いつかず、政府の経済運営への不満が増大している。政府が打ち出した所得税減税への理解も広がっていない。自民党支持層でみても「岸田離れ」が進んでいる様子がうかがえる。

首相は27日の参院予算委員会で、支持率低下について「国民の様々な声を丁寧に聞き、謙虚に受け止めながら先送りできない課題に答えを出していく」と語った。

重要課題を一つ一つ解決し、実績をあげることで支持回復をめざすのは当然だろう。他方、首相や政権そのものへの不信感の高まりは危険水域に入ったといえる。

長く続いたデフレを克服し、政権が掲げる「成長と分配の好循環」につなげる道筋を明確にしてほしい。短期の物価高対策にとどまらず、経済財政や社会構造を変えていく取り組みと具体的な戦略の説明が不可欠だ。

副大臣政務官の連続辞任につながった様々な不祥事、自民党の各派閥の政治資金パーティー収入の過少記載問題は、事実解明と再発防止に首相自らが指導力を発揮すべきだ。3年目に入った政権の立て直しは容易ではないが、政治の停滞は許されない。